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2014/01/13

しなしな、島を旅する


これが島での最後のお仕事になるかもしれない。
そんなことで、取り組んでもいたことの中から生まれたもの。

これまで極力、島の「観光」分野には手を出さないようにしてきましたが、佐渡観光における一つの試案・提案でもあり、それ以上に、地域活性化という側面で考えていたものです。
とある制作物をつくる中で、固まっていない企画を概念の整理、コピーライトなどを考案・企画していく中で浮かんできた「コンセプトデザイン」です。

佐渡・しな島トリップス
・佐渡島を
・しなしな(ゆっくり)
・味わういくつもの旅(地域)、タイムスリップ・じっくりドリップされたような島旅(地域)を味わう。
・そうしたら、島が地域が好きになる。
旅によって佐渡を好きになる、いずれはそんな佐渡に暮らしたいと思ってもらえたら…。

そんな想いから「デザイン」したものです。


Uターンしてからの4年は、いわゆる「観光産業」の門外漢ではありますが、確かに島の魅力・可能性を見いだしはじめた、発信してきた日々でした。

自分自身は、そんな島をもう少ししなしな、島を旅するように生きたかったと思いますが。
直面する現実・未来は、決してしなしなしていられない。そう思って自覚・認識・行動していただけですが…。

極力しなしなしているように働きかけて見せかけて…での最短コースを選んだ小旅行。
それが僕の佐渡という島旅だったのかもしれません。


(以下、個人的な佐渡観光に関する考えです。興味ある方は まっと読む からどうぞ。)



島の主要産業として、従事者も多い「観光」産業。
ですが、個人的にはずっと一定距離を置いてきました。
そのように意識してきた理由はいくつかありますが、基本的なスタンスは
  • 産業として、構造的な問題がある。(季節産業=季節労働化、産業間連関に消極的・閉鎖的)
  • しがらみ、既得権、過去の栄光の呪縛などに縛られていてイノベーティブでないこと。
  • いわゆる「観光地」、島を「観光地化」することが、本当に島・島民にとって幸福なのか疑問。

というあたりです。

お陰で、ほとんどしがらみのない立場なので、今回はこれに関することを少し書き遺しておきたいと思います。


そもそも佐渡観光は、高度経済成長期に乗って、いわゆる100万人観光を経験しました。
120万人をピークに現在では半減。

ピークを前提とし、乱立したホテル群。(そして投資回収・維持管理が困難になり…)
一方、「佐渡」を目指してくるお客さんに対して、(島の中では合併前でもあり)「おらが町に」「いやいや、おらが村に」来てくださいの誘致合戦。お客さんは「○○町?どこそれ?」です…。
積極的な誘致?は、大手エージェントに菓子折り持って「今年もよろしく」とか、バラマキだったり。
ホテル間・商店街等地域での客の取り合い。

とか色々見えたり、伺ったりですが、これが「過去の栄光」の舞台裏だと門外漢から見ても、ほぼ真実だろうと思っています。さらに直接、

・(ハイシーズンには魚が最も少ないことから)どこにいっても、イカばかり。
・これでもかってくらいにイカを食わされる島。
・冷凍モノ出された。地モノでないものばかり。
・お越しくださったという態度ではない。
・・・
とにかくあまりいい評価を耳にしません。

そんなこんなで「1度は行くべきだか、2度と行きたくない」観光地という汚名が定着・拡散していった時代。だと、個人的には捉えています。

にも関わらず、これに取り憑かれている人が少なくありません。
未だに俺がやったと大声を挙げて我が物顔で威張ってる人もいるくらいですから・・・汗。
(減少傾向でも携わってましたよね・・・というツッコミどころ満載です。)
そんな人につける薬があるとすれば、とりあえず放っておくくらいしかないですが。


ということですぐに明治維新くらいの人心刷新!出来たらスッキリするのにと、毎度のことながらそこまでの力や勢いはないので、せめてそんな所からアンチでもなくジンテーゼ。

それが、冒頭の旅ということでもあるのですが、これだけでガラッと変えるなんて出来ると思っていません。

ただ、「これまでの観光」では素通りされてきた、「本当の佐渡の魅力」=「本当の佐渡観光」を島民の元に取り戻す、捉えなおすことは可能で、新たなメディアを積極的に活用して佐渡観光を何とかしたいという人だとか、そこまで肩ひじ張らずに気軽に言えたり、地域づくりの側面からのアプローチや食を通じて・・・だとか、既にそんな「これからの観光」の流れが出てきているので、そこに望みがあると思っています。

そんな人たちが中心となる、ないし参加した体制に移っていってほしいと思います。

佐渡観光の「過去の栄光」なんて、せいぜい「過去の成功(させた)と勘違いしてた失敗体験」か、バブルだったと位に捉え直して、考え方もやり方も変えてみれること。それさえなかなか出来ずにいる佐渡ですが…。

かつてのアルコール共和国のような独立思考(パロディ・遊び心)や、お土産物は島内産にインセンティブつけるとか、いっそのこと新潟県を辞めて、東京都に入ってしまおうとか。。。軍民共用の空港とか。。。一度ゼロサムで考えて見たり、捉えなおしてみたりしたらいいのに…。

と結局、たらればになっちゃうのですが、

ただ、確かに島民から語られる「佐渡の魅力」が持つ説得力や口コミがジワジワと成果を挙げている。そこに「これからの佐渡観光」があるのだと思っています。

身の丈というか、嘘のない「佐渡」(の良さ)を知るには、民宿やホームステイが一番と言われています。そういうところはほとんどプッシュされない。組織で出来ないなら、個人から始まる勝手連。

そんな「佐渡観光」が面白い。

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